「ホウレンソウ」は不要 グーグルの働き方改革・管理職改革

グーグルで働きたいという方はたくさんいるでしょう。私もその一人。もちろん、およびでないでしょうが。私がもし今大学生とかだったらグーグルで働くため必死に頑張るかもしれません。

ということで、ひっじょーーーーーーーーーーに興味深いグーグルの役員が語る、管理職改革について今日はお話ししたいと思います。魅力的です。

今日の目次

  • グーグル役員が思う日本企業の問題点
  • 在宅勤務で実験、管理職の働き方に変化
  • オンラインのカレンダー、部下管理ツールではない
  • 社員を同じ方向に向ける「OKR」制度

■岩村さんが考える日本企業の問題点とは

最良の「働き方改革」を模索する日本企業。グーグル日本法人のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)で専務執行役員の岩村水樹氏は、日本のグーグルで女性の働き方改善を進め、米本国でもその活動を評価されてきました。自らが日本で30を超す企業と取り組んだ在宅勤務の実験結果などを踏まえ、「会社にいてホウレンソウ(報告・連絡・相談)をする必要はない」と説く岩村氏にインタビューをした記事があり、非常に興味深かったのでご紹介いたします。

岩村さん:「『働き方改革』については、いろいろな場で話してきました。当初、私は企業側が『How』、つまりやり方がわからないのかと思っていたんです。やらなければならないのはわかっているけれど、やり方がわからない。確かにそれもありました。しかし、そもそも『Why』がどこか腑に落ちていない。『なぜワークハードはいけないのか、なぜ変わらなければいけないのか分からない』というわけです」

「私自身、バブル時代に広告代理店に入社しました。(栄養ドリンクの)リゲインのコマーシャルに出てきた『24時間戦えますか』というキャッチコピーのような状態でした。

課題は、いまだに、その感覚に引きずられていることだと思います。ワークハードがよかった、という時代の人たちが企業の大半を占めている。

今までの成功体験は変えられません。『なぜですか』という点も含めて見極めなければいけないんだと気付きました」

「マクロ環境で見れば、日本の労働力は減っていくので、効率を上げなければ世界に追いつけなくなる、というのはわかります。じゃあ1人当たりの労働効率を上げたうえで、今までと同じ時間働けばいいじゃないか、という意見もあるでしょう。けれど、人間は長く働いてもそんなにいいものは生まれないんです。休んだり、人生を楽しんだりして外部から刺激を受けたほうが、アイデアは生まれやすいんです。これを体感できず、働き方を変える必要性も感じていないというのが大きな問題です」

上記の太字のところが、非常に悪影響が大きいと私は思うんです。みなさんの会社にもいませんか?改革や変革を好まない人、残業を美と考える人、休みを取らないほうが優秀と考える人、こういう人たち。

言わせてもらうと、こういう方々が課長以上の職にほとんどのさばっているのがうちの会社。まさにいいアイデアなんて取り入れてくれませんし、やりがいもなんもないんですよね。公務員的な会社なので尚更です。

■在宅勤務で実験、管理職の働き方に変化

「在宅勤務」については、来年のオリンピック開催に向けて、うちの会社も実施予定ではありますが、対象はなんと役員クラスのみ。ふざけるなという話ですよね。我々社員をなんだと思っているんだっていう話ですよ。

さて、この在宅勤務をはじめとするITインフラをうまく活用して働き方を改善させることが、仕事のアイデアを生む、と体感してもらうにはどうすればいいのでしょうか。

岩村さん:「日本の企業は『How』の部分、つまりテクノロジーのインフラは持っているケースが多いです。でも使ってないんです。一番のおすすめは、まず少人数のチーム単位でツールを使ってみて、よさを実感する人を増やしていくことです。『Think Big,Start Small(志は大きく、スタートは小さく)』、これはグーグルのイノベーションの基本的な考え方でもあります」

「2014年に『Women Will』プロジェクトを立ち上げ、31のパートナー企業、延べ2000人とテクノロジーを活用した働き方改革の実験をしました。まず、『在宅勤務トライアル』です。調査では、管理職の47.1%が『仕事が在宅に適しているか不安がある』と答えていました。しかし、実際に在宅勤務を取り入れた働き方を2カ月間実施してもらったところ、『在宅で仕事をして課題を感じた』と答えた人は、11.8%でした」

「会議はテレビ会議で対応できるし、オンライン上のカレンダーを見れば部下が何をしているかわかります。だから、会社にいて『ホウレンソウ(報告・連絡・相談)』をしなくてもいい。アウトプットの内容だけを見ればいいんです」

本当にそう思います。ホウレンソウ絶対!って時代はもう古いのかもしれませんね。

■オンラインのカレンダー、部下管理ツールではない

でも、うちの会社もそうですが、管理職のなかには、実際にオフィスにいないと「周囲の進捗が見えない」「管理できないし評価できない」という抵抗感を持つ古い人が多そうですよね・・・。そこは岩村さんはどうお考えなのでしょうか。

岩村さん:「カレンダーは何のためにあるのでしょう。部下の動向を管理するためでも、空いた時間に会議を設定するためでもありません。自分が働く計画を立てるツールなんです。一般社員でも、自分で仕事と生活をきちんと管理する力が求められます。先にお話ししたプロジェクトでは、予定帰宅時間をカレンダーに入力してもらう実験もやりました。そうすると、実験前の在社時間は、平均8時間から9時間という人がもっとも多かったのですが、実験後は平均7時間から8時間という人がもっとも多くなりました。やれば案外できるんです」

「グーグルでのマネジャーの大切な仕事は、誰もがアイデアを出せる空気をつくることです。以前、よい成果を上げているチームの共通点を調べたことがあります。そこで唯一共通していたのが『サイコロジカル・セーフティー(心理的安全性)』な環境であることでした。これは誰もが自分らしく仕事ができ、性別や人種などの属性に左右されることなく、安心して自由に発言できる、ということです」

「失敗のリスクをとれるかどうかも大切です。イノベーションを起こすのがグーグルの存在理由でもあるので、新しいことができなければ意味がありません。そもそも失敗を隠したり、その場で『わからない』と言えなかったりする環境では、非常に無駄が多くなります。わからないまま仕事を進めて、あとで発覚したほうが大ごとになるんです。だから、そういう『安全な』環境を守ることがマネジャーの大切な仕事なんです」

素晴らしいですね、うちの会社、特に管理職全員に読んでほしいです。

■社員を同じ方向に向ける「OKR」制度

働き方が多様になると、人事考課やマネジメントが難しくならないのでしょうか。

岩村さんは、仕事を進めるうえで「社員が『心理的に安全』と思える空気を保つのが大事」と話しています。

岩村さん:「大前提として、グーグルでは時間ではなく成果で評価します。加えて、社員を同じ方向に向けるための『OKR(オブジェクティブ・アンド・キー・リザルツ)』という制度があります。これはチームの目標を設定し、そこで自分が何をするのかを、マネジャーと相談しながら設定するやり方です。全社で、このOKRを設定し、社員が共有します」

「時間ではなく成果で評価」当然ですよねこれ。長く働いても会社にとって何もいいことがないのに、うちの会社は残業=美みたいな感覚を持っている人がいまだに居て、本当にそういうの無くしたいって思っています。

岩村さん:「目標をすべて達成したという『What』も大切なのですが、『How』も同じように大切です。目標を達成したとしても、その目標自体が野心的でなかった可能性もありますよね。グーグルには『10%ではなく、10倍大きく考えよ』という考え方があります。前年より10%ずつ業績をあげる目標よりも、目先が赤字でも20年後に10倍になっているほうがイノベーションだと考える。だから、単純に目標を達成したかどうか、ではないんです」

最近は、技術の進歩で、いつでも繋がれるという感覚が増えたため、「ワーク」と「ライフ」の境目が昔以上になくなっているという印象があるという記事を読みました。私はそれはデメリットだなと思っております。分かりやすく言うと、オン・オフの境目が無くなってきているというのでしょうか。それは良くないと思うんですよね。岩村さんはそれについてどうお考えなのでしょうか。

岩村さん:「境目が無くなってきているのは確かにそうだと思います。ワーク、ライフ双方にシナジーが生まれるようになると思います。『ワーク・ライフ・シナジー』とでもいいますかね。とはいえ、24時間仕事のことを考えているというのはよくないんです。年がら年中、連絡がきたらすぐ反応するというようなのは避けた方がいいと思います。たとえば、私のチームでは、週末はメールしないと決め、『どうしても週末中に反応がほしいときは電話にしよう』というルールにしています。時差がある海外はしかたないけれど、夜10時以降はメールをしないようにする、とか。お互いの働く時間を配慮することが大切です」

「自分が常日ごろ温めて考えていることは、ちょっとしたきっかけや刺激でまとまることもあります。私たちの仕事は、テクノロジーで人の生活をよくするためのものなので、日々の生活にたくさんのヒントがあります。オフタイムが仕事につながるから悪いわけじゃない。自分の人生のミッションにつながる仕事に出合ってほしいし、みずからの仕事をそういう仕事にしていくべきではないでしょうか」

「 24時間仕事のことを考えているというのはよくないんです 」という意見の方で私は安心しました。さすが世界を代表する企業ですね。うちの会社が見習うべきことが山ほどあるなあとつくづく感じています。グーグル社の理念や同行、今後も注目です。勉強していきたいと思います。

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