燃え尽き症候群で  【燃え尽きない10の方法】

ハーバート・フロイデンバーガー著 

「会社と上司のせいで燃え尽きない10の方法」のご紹介

自分の「燃焼度」が分かるチェックリストも載っています

疲れやすいというのはみなさんはありますか?私はアラフォーになり、子供ができたからというのもあるのか、正直疲れやすいということが増えました。

さらに、会社も家族も友人関係も面倒でイライラがひどくなる一方になっている方はいませんか?懸命に働いているのに成果が出なくなってきた――。思い当たることが多いようなら、ある「病気」を疑った方がいいかもしれません。

今回の書籍「会社と上司のせいで燃え尽きない10の方法」を書いたのは「燃え尽き症候群(バーンアウト)」という概念を初めて提唱した米国の心理学者です。会社や家庭で病的な燃え尽き症状に陥る原因とメカニズム、対処法や予防法を紹介していきましょう。

今日の目次

  • 著者プロフィール
  • エネルギーが空っぽ
  • 理想と現実の落差
  • 生き方のバランス

著者プロフィール

まずは、著者のプロフィールを紹介します。ハーバート・フロイデンバーガー氏は1926年にドイツで生まれ、ナチスの迫害を逃れるため渡米。工場で働きながら通った大学の夜間講座で著名な心理学者のアブラハム・マズロー博士に出会い、心理学の道に進みました。ニューヨーク大学で博士号を取得した後、臨床現場で活躍しニューヨーク臨床心理学会会長などを歴任。99年に死去するまで心理学の分野で数々の賞を獲得し、高い評価を受けました。本書は、その著書で1981年に三笠書房から刊行された『スランプをつくらない生きかた』を改題、修正したものです。

■エネルギーが空っぽに 心身の不調も

オリンピックで金メダルをとった後、目標を見失って競技に身が入らなくなる。難しい入試を見事突破して希望の大学に入ったものの、勉強する気が起きない――。

精神的なことが原因でスポーツができなくなってしまう、「イップス」という言葉も最近はよく聞きますよね。

「燃え尽き症候群」と聞いて、一般的に思い浮かぶのはこんな状況でしょう。新しい目標を見つけて回復していくようなイメージです。

ただ、本書でいう燃え尽き症候群は、より複雑で深刻な状況をもたらす「病気」です。著者は次のように定義しています。

【燃え尽き症候群とは自らを枯渇させること、体力、精神力の源泉を消耗すること。自分自身、または社会的な尺度から、実現不可能な期待を自分に課し、それを達成するためにがんばりすぎて疲れ果てることである。】

自分が立てた目標、あるいは会社や社会から与えられた目標を達成するため、そして「理想の自分」に近づくために、過酷なスケジュールをこなし、長い時間、猛烈に働き続けた。ところが、期待した成果は得られず、疲労と失意に襲われる――。こんなとき、人は燃え尽きてしまうことがあるといいます。

ということは、適当に気楽に仕事をしていれば、このような病気になることはないと考えていいのでしょうかね。私は、今のサラリーマンとしての仕事の未来については完全に割り切っています。ネットで自分で仕事をして稼いでいくために、今の副業を本業にしたいという目標があるからです。

体力や気力はなくなり、いつも疲労や倦怠(けんたい)感がつきまとって注意力が衰える。考えがまとまらなくて仕事もうまくいかず、退屈で嫌気がさしてしまう。かと思えば、イライラして短気になり、被害者意識に支配される。こうした様々な前兆を放っておくと症状は悪化し、普通の生活ができないような状態に陥ってしまいます。頭痛や体の痛みに悩まされたり、一時的なうつ状態になったりと心身の不調に至ることもあります。

これは、私は少しドキッとしています。サラリーマンとしての仕事は退屈、ふとしたことで嫌気も差しますし、イライラして短期になったり被害者意識にも頻繁になります・・・。ただ、私は今病院に行っていることで少しはマシなのかもしれません。他人事じゃないですねこれは・・・。これを読んでいる方で心当たりのある方はいませんか?

■理想と現実の落差、燃え尽きのきっかけに

著者は、臨床の場で接した多くの人の例を示しています。

「人生の意味がわからなくなり、希望がなくなった」

「かつては充実感を与えてくれた仕事が、いまではただ退屈でなんにも報いてくれない」

と訴える人たちは、その多くが自分の力で道を切り開いてきた精力的な努力家であり、強い自信と意志を持ち、一徹な理想主義者だったといいます。バリバリがんばる人だったわけです。

そんな人たちが燃え尽きてしまう大きな原因は、理想と現実のギャップです。

目標達成という理想と達成できなかった現実、あるいは目標を達成してたどりついた現実と思い描いていた理想、そして理想の自分と現実の自分、その間には落差がつきものです。

自分が抱く理想そのものが、家庭や学校、職場など周囲の環境の影響を受けて形成され、ありのままの「本心」とまったく違うことさえあります。

努力と、その努力から生まれる結果が不釣り合いのときには、なにかひどく、うまくいっていないなあという感じがするものです。仕事のことであれ、自分の子どものことであれ、そんなときはもっとがんばってみて状況を立てなおすのも一つの手です。

例えば、会社では「決断力がなく、部下を守らない上司」「細分化され、どんな意味があるか分からない作業」「他人の手柄を自分のものにするような裏切り」「社内政治の手練手管」といったショッキングな現実に直面することもあるでしょう。そんなストレスのなかで、理想を求めてがんばるほど、現実とのギャップは大きく感じられ、幻滅や失望、怒りが湧き上がることになるのです。

だったら、頑張るのをやめましょうよ、って私は言いたいです。私はそう思うようにしましたが、まだどこかでくだらないプライドが邪魔していてそういう自分が嫌いです。完全に仕事をどうでもいいと割り切れれば燃え尽き症候群なんて無くなるはずです。ただ、もちろんそれだけじゃつらいので、別の目標や夢を持つべきなのは間違いないですが。私がそうなので。

人は、こうした不都合な感情を心に閉じ込め、無意識に目をそむけようとしがちです。もっと仕事に打ち込む、酒やギャンブル、買い物に熱中するといった現実逃避がひどくなると、症状は一段と悪化していきます。心の底では「自分にも弱さやダメなところがある」と気づいているのに、見ないふりをすることに多くのエネルギーをむだ遣いしてしまうのです。

■燃え尽き防止、生き方のバランスから

著者は、燃え尽き症候群からの回復と予防、職場のストレス対策などにも多くのページを割いています。

「人生の選択が正しかったか、誤りだったかを、時々チェックしたり、目標、生きかた、人間関係の誤りを正したりする」

「ありのままの自分の声に耳を傾け、理想の自分との断層を知る」

「休暇を取る」

「一歩前進できればよいと考える」

「家族や友人と親密になる」

「組織とのかかわり方を再考する」――。

こう並べると断片的に見えるかも知れませんが、大事なのは自分との対話を通じて「ありのままの自分」の姿や望みをつかんだうえで周囲と関わり、バランスをとっていくことなのです。

より充実した生活を確保したいと願うのであれば、自分と社会の間に正しいバランスを保持すること。自分を強めて燃え尽きに対する抑止力を構築しなければなりません。

自己を強める一つの方法は、世界をありのままの姿で受け入れる態度を身につけることであり、これを生活の信条とすること。

働き方改革の掛け声が高まるなか、これからの自分の働き方や生き方を考えるうえでも多くの示唆を与えてくれる一冊です。ぜひ、読んでみてください。

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