男性育児・男性育児休暇を当たり前の世の中にしたい~「イクメン」という言葉

育児 育児休暇

 子どもと2人きりでいるのは、不審なのでしょうか?そんな声が、育児中の父親からあがっている現状があるようです。

 私も平日に頻繁に有給休暇を取っているので、平日に子供と公園などに散歩することが多いです。でも、私は全く気にしていません。気にするだけ損ですし、そのように思う人がどうしようもない人たちだからです。男性が育児をする姿はもはや珍しくないですし、来年からは国家公務員の男性が先だってという形ではありますが、男性の育児休暇も義務化されます。

 なんと、平日の昼間だと「なぜ?」という目で見られたり、「お母さんは?」と尋ねられたりする人までいるそうです。

 もし私がそんなこと聞かれたら、逆に、「なぜそんなこと聞くんですか?」って言ってやります。女性ならば不審がられないのに、男性だと違うっていうのはおかしですよ。そういう思考、思想が、男性の育児休暇の促進などを遅くしているんです。「育児の中心は女性」という考え方がまだ根強い、どうしようもない社会のありようが映し出されているのかもしれませんね。

今日は実際に起きた事例も含めてご紹介していきたいと思います。

あいさつのように「お休みですか?」

「きょうは、お休みですか?」

 中部地方に住む公務員の30代男性は、今年の春まで1年間、長男(3)の育休を取りました。子どもを連れて、遊び場へ連れて行くと、別の母親から度々、あいさつのように声かけが。「不審な人物でないか、相手が警戒しているのが伝わってきました」

 妻と共働き。彼にはキャリア形成を後押ししたいという思いもありました。同時に、出産時は単身赴任していたので、子どもが幼い時から関わりたいとも思って育休を取得しました。

 ただ、もし、そのように聞かれたら、こう返せばいいんです。

「なぜそんなこと聞くんですか?」

男性が子育てで外に子供と平日にいるのは当たり前という意識を根付かせていきましょう!私も草の根運動を続けたいと思います!

「子育ては母親」に直面

 彼は、育休取得時から、「子育ては母親の役割」という性別役割の意識に直面しました。

 2年に及ぶ単身赴任の後、中部地方に。育休取得を申し出ると、

「本当に、育休取るの?」

「奥さんは、もっと休めないの?」。

 何度、聞かれたか。強く申し出て、なんとか1年間の育休を取得しました。

 育休明け、子どもの発熱で会社を休むこともあります。そんな時は、常に先回りして「言い訳」してしまう。「妻がどうしても対応できないので」が枕詞です。

 言い訳万歳でしょう。どんどん休むべきです。子供第一、家庭第一です。それに、組織では一人居なくてもどうにかなります。

 男性上司の妻は、多くが専業主婦。仕事が終わらなければ、残業や休日出勤をすればいい。飲み会で家を空けることは苦にならない――。そんなスタンスで接してくる人がまだまだ多いのが現実。一方の男性は、常に帰宅時間を気にし、休日のすべてを家庭のために充てる。どうしても溝を感じてしまいます。

 でも、あなたは、もし妻が専業主婦だって、男性は育休とって良いと思いませんか?私は妻は専業主婦ですが、子供ができてから取ろうとしました。やはり当然のごとく、説得されましたよ。しかも、その時は、新しい会社に出向したばかりの時だったので、家庭の事情も理解してくれているし、説得に負けてしまいました。

 でも、今では取らなかったことを反省しています。

 勤務先に、自分の代わりなんていくらでもいます。でも、子供にとっての父親は代わりはいません。そして、過ぎ去った時間は戻ってきません。子供が小さくて可愛い時、1分1秒でも一緒に居たいとあなたは思いませんか?

『子育ては妻の役割』

『育休は妻が取るもの』

『男は24時間を仕事に充てられる環境が当たり前』

そういう意識、もう持つのはやめましょうよ。

娘と新幹線、「誘拐犯」と通報された

 次の事例はちょっと有名な方のお話です。

 ミュージシャンで漫画家の劔樹人さん(40)は今年8月、新幹線の車内で、泣きやまない長女(2)をデッキに移動してあやしていたところ、停車駅で乗り込んできた警察官から事情を聴かれました。当時、長女と2人きりで、妻でエッセイストの犬山紙子さん(37)は不在でした。

 「誘拐事件の可能性と通報があったので」。警察官が無線で「男性と女の子が1人。母親はいません」とやりとりしているのを見て、「男性と女の子だから怪しまれたんだな」と劔さんは思ったそうです。

 結局、身分証明書としての保険証を示し、犬山さんと電話で連絡をとり、やっと「疑い」は晴れました。

 私だったら、キレてしまいそうです。でも、子供が一緒に居たら我慢しますが。あまりにも失礼ですよね。警察には本当にもっとやるべきことがあるだろうって思います。それ以前に、そんなことで通報する人も人間性を疑いますよね。

SNSで大きな反響

一連のやりとりをSNSで発信したところ、大きな反響が起きました。

「慣れないことをするからだ」

「ふだん育児をしていない父親がするから、そうなるんだ」

そんな「的外れな批判」も劔さんは浴びたといいます。

そんな心無い人たちがいるんですね。ひどいもんです。おそらく子供の居ない人からの誹謗中傷が多かったのではと思いますが・・・。

 劔さんはふだんから父子で過ごすことは珍しくなく、2人きりでの新幹線移動にも慣れていました。慣れていようがいまいが、2歳半は「イヤイヤ期」の真っ最中。ちょっとしたことで泣きわめき、親の言うことを聞いてくれないことは、子育てをした親の多くにとって、身に覚えのあることでしょう。

 私の子も今の段階で2歳半。まさに同じ感じです。あまり最近は言うことを聞いてくれない元気な子になってきています。うれしい悲鳴です。(^^;

 一方、犬山さんのもとには「父子で行動するときは疑われないように、なるべく子どもとおそろいの服を着るようにしている」という男性からの声も届いたそうです。

 でもそんなのって悲しいですよ・・・。生きたいように生きたいし、着たい服着せてあげたいですよね。

「性別関係なく育児」の環境を

 犬山さんは一連のできごとを踏まえ、「男性が育児をするなかでそういうプレッシャーがかかっているんだな、ということは胸に刻んでおきたい」とnoteに書きました。

  いま、犬山さんはこう振り返ります。

 「そこには男性と子どものセットで新幹線に乗っているという珍しさもあったのでしょう。これが男性と女性、半々ぐらいの割合で子どもと2人で新幹線を利用する世の中だったら違っただろうと思います。今回のできごとを振り返ると、結局、育児は性別に関係なく参加していくべきだし、そのための環境も整えていくべきだし、というところに落ちつきます」

 まさにそのとおりです!有名な人がこのようなことをどんどんとSNSなどで発信していってほしいです!

 劔さんも「育児をするのはやっぱり母親がいいんだろう、という意見はまだ強い。でも、そんなことはないはず。ふだんから育児する父親が増えていけば、世の中の空気も変わると思います」と話します。

 そして、2人は「通報そのものは必要」と強調します。SNSで発信するときも、そこの誤解を受けないように気を配ったそうです。「子どもの安全のためにも、怪しいと感じることがあれば通報してほしい」。それが2人の思いです。

 それは意外ですね。私は必要ではないと思います。そのように発信してしまうと、何も悪いことをしていない父親と子供がますます視線を感じることが増えて、生きづらくなるからです。ここはもう少し考え直してほしいですね。

「イクメン」という言葉

 「イクメン」という言葉が「新語・流行語大賞」のトップ10入りを果たしたのは2010年。それから、10年近くが経過しています。でも、考えてみれば、その言葉があること自体が、男性の育児が珍しいって背景から来てると思いませんか?

 今年8月、

「僕たちは育児のモヤモヤをもっと語っていいと思う」(自由国民社)

を出した、働き方評論家の常見陽平さん(45)は、「イクメンという言葉があること自体、男性が育児をするのがふつうじゃないということを可視化している」と指摘しています。

 常見さんは2年前、長女を授かり、フルタイム勤務の妻と夫婦2人で子育て中です。ほぼすべての食事は常見さんが担うなど、平日も1日平均6時間は家事育児に費やしているそうです。父親の鑑ですね。

 育児する男性の姿があたりまえになり、日常の風景になじんだとき、冒頭の男性が感じた「不審な目」や、劔さんが体験したようなできごともなくなっていくのかもしれません。そして、そのときには「イクメン」という言葉も消えるのかもしれない、と思います。

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