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ベネッセが主宰するオンラインサロンのイベントに集まった子育て中の女性

ベネッセが主宰するオンラインサロンのイベントに集まった子育て中の女性

はじめに

ネット上の会費制コミュニティー「オンラインサロン」市場が急拡大しています。芸能人や経営者が主宰するものから、最近はSNS(交流サイト)のフォロワーが多い一般人の開設も増えています。

誰もが見られるSNSと比べると閉鎖的な空間で、濃密に交流できるのが人気の理由。

起業や投資をテーマにしたサロンもありますが、うたい文句ほど効果がないといったトラブルも起きています。

ネットサービスのDMM・com(東京・港)が管理するサロンの中でもトップクラスの人気を誇るのが、ファッション関連の著書が多いMB氏が主宰する男性ファッションがテーマの「MBラボ」。5000円の月会費で、600人を超える人が参加しています。

メンバーは有名デザイナーや編集者などのコラムを毎日読めます。

人気アパレルブランドに商品開発をプレゼンするコンテストなども開催してきました。サロンに所属することでビジネスの実経験を積めるということで入会希望者が後を絶たない状況です。

オンラインサロン人気が高まっている理由について、DMMの豊好竜弥オンラインサロン事業部長は、

「同じ関心を持った人だけが集まり、熱量の高いコミュニティーが生まれる」

と解説しています。

人気サロンは主宰者による一方的な発信だけでなく、メンバー間のやりとりやオフ会が盛り上がっている傾向があるといいます。

もともとオンラインサロンはホリエモンこと堀江貴文氏やお笑い芸人の西野亮広氏、有名編集者の箕輪厚介氏などすでに知名度の高い人が開設することが多いものでした。有名人のファンクラブに近い位置づけで、本人と交流できるのが売りでした。最近はSNS上でフォロワーが多い匿名の一般人がサロンを開くケースも増えています。

20代後半の東京都在住の会社員女性、ICOさんもその一人。これまでツイッター上でキャリアや美容に関する情報を発信してきましたが、個人的な相談が増えてきたことから、2019年12月に月会費500円のオンラインサロンを開設しました。

メンバーは現在250人程度。メンバーからのダイエットや転職などの相談には全て返信します。ICOさんは「自分の知識や好きなことを発信してくれるメンバーも増えてきた」と話しています。

思わぬトラブルも・・・

オンラインサロンの数は急増しています。

大手のDMMは約700、クラウドファンディング大手のCAMPFIRE(キャンプファイヤー、東京・渋谷)は約1600のサロンを運営しています。

2社の合計だけでも3年で3倍近くに増えました。

大手を通さないものを含めると、国内の市場規模は30億円を超えるとされています。

ただ、市場の拡大に伴い、トラブルが増え始めています。

起業や投資をテーマにしたサロンも少なくありません。うたい文句にひかれて参加しても、思った効果が出なかったという苦情がネット上にあふれています。

さらに悪質になると、金融取引や金もうけなどのノウハウを商品と称して販売する「情報商材」詐欺の場としてサロンを利用するケースがあります。いまだこんなのってあるんですね・・・。

国民生活センターによりますと、19年に入ってオンラインサロンに関するトラブルの苦情が増え始めました。

40代女性からのある報告では、サロン内のコミュニティーで仮想通貨を使った投資の話を持ちかけられて3万円でサポート契約したところ、連絡が途絶えたといいます。

別の30代男性は「お金の稼ぎ方を教えます」との触れ込みでサロンに入会。40万円の振り込みを求められましたが、入金後音沙汰がなくなりました。

国民生活センターは「詐欺のやり方としては昔からあるもの。手口にオンラインサロンが加わった」と指摘。情報商材を巡るトラブルの報告は過去5年で5倍に増えており、この一部にサロンのトラブルが含まれています。

企業、意見募る場に利用

DMMではトラブル防止のため、開設前に「反社チェック」を実施し、投資系サロンとは誓約書を結んでいます。なので安心ですね。

開設後もスタッフがサロンを巡回し、問題のあるやりとりや更新頻度を点検しています。万が一問題があったら、DMM自体も責任を問われてしまいますからね。CAMPFIREでは全サロンに担当者をつけ、トラブル解決にあたっています。今後は業界団体の設立や共通ガイドラインの策定なども課題になりそうです。

オンラインサロンの利用者は20代後半から30代のビジネス意識が高い人が多いです。

DMMによると、25歳から34歳の世代が会員の4割程度を占めるといいます。

企業が同年代のファン獲得やマーケティングの場として、オンラインサロンを利用するケースが出てきました。
スポーツ用品大手のミズノは19年に会費無料のサロン「#ミズノチャレンジ」を立ち上げ、プロ野球観戦グッズの開発などで意見を募りました。
子育て世代の女性を狙って、子育てや社会復帰を後押しするようなサロンも人気があります。
ベネッセコーポレーションは現在、妊娠・出産・育児向け事業「たまひよ」のオンラインサロンを開設しています。

子育ての悩みに答える動画を配信したり、会員からの相談に医師や助産師などの専門家が回答します。子連れで参加できるイベントも目玉のひとつとして企画しています。

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