新年度になり、新しい仲間を迎えた職場も多いことでしょう。新しい仲間が職場にとけこむための潤滑油になるのが雑談。今回はこの雑談がテーマです。
上司の多くは、雑談を重視します。雑談で職場の雰囲気が明るくなることがありますし、雑談の中から部下の状況がつかめるからです。ところが、職場には、雑談に乗ってこない部下がいます。上司はそんな部下に対してやりにくいと感じるようです。
雑談に乗ってこない部下にも、タイプがあります。職場での雑談の意義を認めない人、雑談が苦手な人などです。
そもそも雑談は、仕事とは直接関係ないものです。雑談をしなくても、仕事がきちんとできればよいと考えることもできます。はたして、雑談は必要なのでしょうか。
あなたの勤務先はどうですか?
私が今いる課では、3チームに分かれていまして、全員仲良しかと言うとそんなことはありません。かといって、仲が悪いというわけでもありません。
強いて言えば、全体としては、「触らぬ神に祟りなし」といった関係でしょうか。
雑談に加わらないメンバーももちろんいます。あえて、加わる必要もないといったところでしょうか。その人は私の課で上から2番目に偉いんですけどね。
私から言わせれば、無理に雑談に参加して愛想笑いをする必要なんてありません。
それで悪く思う上司なんてどうしようもないちっちゃい人間なわけで、相手にする必要はないです。
別にそれで自分が死ぬわけじゃないですし、降格するわけでもありません。そして今の時代何かあったらボイスレコーダーで録音です。そうして戦えばまず負けません。
だからといって、話を振っても、「ええ」とか「いいえ」としか答えないのは少々問題かな・・・と思います。 雑談自体は、仕事ではありませんからもちろん強要してはいけませんし、される筋合いもないです。仕事をきちんとやっていればよいと思います。
ただ、雑談を通じたコミュニケーションは、仕事に限らず、対人関係作りでは重要なことは間違いありません。話を振られたらそりゃ嘘でもノリノリな感じを見せるべきだと私は思います。
なので、若い人たちは、仕事と割り切らずに、雑談力を高めることは大事だと思います。
最近は、ネット社会ということも相まって、そういうことを避けている人が増えてきました。
そのツケは、彼ら、彼女らがリーダーになったときにくるんじゃないでしょうか。全くの個人事業でやっていくというならばまだ話は別かもしれませんが。
上司が部下に求めることは大体下記の3つに大きく分けられます。
【上司が部下に求めること】
- 職場の雑談に参加してほしい
- 雑談で話を振ったら、少しは答えてほしい
- 雑談を通じた対人関係作りの重要性を理解してほしい
部下の言い分
私は、ヒラでもないですが、上の立場でもないので、部下という立場から話をします。
私は雑談は好きな方ですし、とても大事だと思っています。そして、雑談力といった点ではあるほうだと思っています。
ただ、雑談力とコミュニケーション能力というのは必ずしも一致しないと思います。
今、所属している課でも、全員とまんべんなく雑談というのはまずしませんし、できません。ただ、同じチームの女性とは本当に色々な雑談をします。元々、馬が合うと私では思っていますので、仕事上かなり良い関係にはなっていますので、色々なことがスムーズです。
さて、部下が上司に求めることは下記の3つに大きく分けられます。
【上司に求めること】
- 雑談を重視しないでほしい
- 世間話を振らないでほしい
- 雑談とスキルをつなげて考えないでほしい
上司への提案と部下への提案
<上司への提案>
雑談が職場のコミュニケーションの潤滑油になることは確かです。
また、雑談の中から部下の気持ちや状況をつかむことができますから、重視する気持ちもわかります。
しかし、雑談をしない部下に対し、一概に否定的になるのも考えものです。ここは、雑談をしない部下を2つにわけて考えてみましょう。
1.雑談はできるがあえてしないという部下
やろうと思えば雑談もできるが、職場での雑談は時間の無駄と考えて、しないタイプです。仕事上の問題がなければ、このタイプは放っておいてもよいでしょう。
2.雑談が苦手な部下
このタイプの部下は放っておけません。雑談が苦手な人の大半は、さほど親しくない人との間に、人間関係を作っていくことが苦手です。
顧客や他部署の人々との間に人間関係を作ることができなければ、仕事もうまく進みません。
雑談が苦手な部下は、方法論を持っていないものです。精神論を説くよりも、コミュニケーションのトレーニングを受けさせる方が効果的です。
なお、部下の方の中には、日常の雑談に参加しないから、人事考課で低い点をつけられていると考えている人がいます。
上司の皆さんは、そんな考課はしていないと思いますが、印象がなんらかの影響を及ぼすことはありますので、そこはきちんと分けて評価してほしいですね。
- 雑談をしない部下を一概に否定はしない
- 雑談ができない人にはコミュニケーションのトレーニングを
- 仕事以外の印象を評価に持ち込まない
<部下への提案>
職場は仕事をするところであって、雑談をするところではありません。だから、雑談にはつきあわなくてよいとも言えるのですが、少し角度を変えて考えてみましょう。
例えば、あなたが会社の指示で公開セミナーに行ったとします。会場に少し早くついてしまいました。まだ、会場内の人影はまばらです。席はグループに分かれて座るようになっており、座席は指定されていました。自分の席を探すと、隣には、かなり年上と思われる方が既に座っています。軽く挨拶して席につきました。さて、どうしますか?
こういう場面で、話かけることが苦手で、気詰まりになるようならば、雑談力を磨いた方がよいでしょう。私は別に苦手でもないですが、面倒なので、その日の気分で話しかけたり話しかけなかったりします。
雑談ができないと、将来あなたが困ってしまいます。
例えば、あなたがリーダーになり下に新人が来ました。相手はあまり話しをせず、なかなか職場にとけこめません。
いつも孤立している感じなので、ランチにでも誘って話をしてあげたいところです。でも、そこでなにを話したらいいかわからない。これでは困るということです。
そこで、簡単にできる雑談の方法をご紹介します。
雑談のコツは質問です。5W1Hで質問すればよいだけです。
例えば、相手がフットサルをやっているということを知っているとします。自分はフットサルはおろか、サッカーさえよくわからなくても、質問はできます。
when フットサルはいつからやってるの?
where どういうところでやるの?
who どういう人とチームを組んでいるの?
what フットサルの魅力って何?
why どうしてフットサルをはじめたの?
how どんな練習をするの?
同じ質問でも答えが、Yes/Noになるような、択一型の質問は向きません。「フットサルって5人でやるんでしょ?」「そうです」……そこで会話が止まってしまいます。だから、5W1Hの方がよいのです。
日頃から、練習をしておけば、雑談力はすぐ身につきます。
あと何よりも心の片隅に強く刻んでおいてほしい意識を伝授します。
「話しかけられて嫌な人は居ない」
んです。これは間違いないんです。ぜひ、これを心にとめてみてください。これで人見知りなどもかなり減るはずです。
他者と関係を作っていくのは、「ソーシャルスキル」と呼ばれる重要なビジネススキルです。磨いていきましょう。
- 雑談もできるようにしておく
- 5W1Hで質問する
- リアクションしながら聞く
雑談は、人間関係作りのツールとして有効なものです。雑談がなくても、職場は成り立ちますが、せっかくのツールです。上司、部下ともに活用してはどうでしょう。
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