メルカリ全社員が「AI思考」 GAFA目指す

GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)に並ぶテックカンパニーを目指すメルカリが、最重要技術と位置付けるのが人工知能(AI)。

製品の機能強化から品質の改善、顧客サポート、従業員の生産性向上までAIを徹底活用します。目指すは全社員が仕事の必須道具としてAIを使いこなせる会社です。

「2019年はAIを中心にした経営を目指す」。小泉文明社長はこう言い切ります。

■フリマ売買を簡単、安全に

メルカリがいま最も注力するのがフリーマーケット(フリマ)サービスにおける機能強化やサービス改善への活用。商品を出品する際の手間を徹底的に減らし、利用者が出品しやすくします。

メルカリがAIで目指す出品作業の理想像はこうです。スマートフォンのカメラを商品にかざすと、メルカリアプリの画面には商品名やスペック、推定販売価格など入力すべき情報が自動的に現れます。内容を確認して「出品する」ボタンを押すと完了。商品の情報を一切入力することなく、2分ほどで出品作業が完了する――。

既にプロトタイプを開発済みで、カメラやノートパソコンといった商品についてはほぼ実現の見通しがついているといいます。

私も実際に使ったことがあります。特に私が実感したのは、「本」です。本のバーコードを読むだけでほぼすべての情報が勝手に入力されて、自分で入力する手間が省けるんです。これらは本当にすごいことだと思います。みな、忙しい中、出品するんですから、できるだけ手間を省いたほうが良いに決まっています。こういったところが、メルカリがヤフオク!を抜いた要因でもあるんでしょうね。YAHOO はメルカリより大企業で財力などもあるでしょうに、全く遅れを取っていますよね。情けないものです。

■膨大なデータを源に

メルカリがAI開発のよりどころとするのが、サービスを通じて集めた膨大なデータ。商品の画像や名前、説明文、新品や中古といった状態、ブランド名、大きさ、検索単語に利用者が投稿したコメント――。累計出品数11億点、合計で数十億件に上るデータを基に、AI向けの機械学習モデルを作ります。

スマホ決済サービスのメルペイを通じて集める決済や購買の履歴データも生かす方針。 膨大なデータを使ってAIの基盤技術を開発したり改良したりするそうです。

同技術を基に製品やサービスを強化し、さらにデータを充実させてAI強化につなげる好循環を狙っています。そして、メルカリのAI活用の徹底ぶりは社員1人ひとりの日常業務にも及んでいます。

サービスの強化と並行して進めているのが「AIの民主化」(浜田優貴取締役最高プロダクト責任者=CPO)。

・エンジニアや一部の専門家だけでなく、デザイナーやプロダクトマネジャー、営業担当者、人事や総務といったスタッフ部門など全社員がAIを生かして仕事をする。

・ 実現に向けてメルカリは社員1人ひとりが「AI的思考を養う」(木村俊也エンジニアリングディレクター)ようにする。

・AIの特徴と限界を理解し、仕事のどの部分にAIを生かして効率化できるかを社員1人ひとりが自ら考えて実践できるようにする。

などなど、積極策を沢山打って出ています。

■不正防止対策にAIを生かす

急成長するメルカリにとって、足元の課題は不正防止対策。AIを活用した出品機能の開発と並行して、法令や利用規約に違反した出品をAIによって検知・防止する機能の開発にも力を注いでいます。

私も恥ずかしながら、規約に抵触しているとは知らずに出品して削除されたことがあります。あれもAIの力だったんですかね。すごいものです。

対象は偽物のブランド品や医薬品、オンラインゲームのアカウントといった規約違反の出品、酒類やエアガンなど未成年に販売できない商品などなど。例えば規約違反の出品については、商品の画像や商品名、説明文などを解析して「違反スコア」を計算し、しきい値を超えたら非表示にしたり警告を表示したりします。そのうえで顧客サポート部門が規約違反と確認したら削除するかたち。

同社には苦い経験があるのはご存知の方も多いでしょう。17年、現金が出品され社会問題になりましたよね。万引きした商品を出品して現金に換えた利用者が逮捕されるなど、盗品の出品も相次ぎました。

1年前に株式を上場したメルカリは利用者だけでなく投資家の目にもさらされるようになりました。同じ問題が再発すれば、影響の大きさは従来の比ではありません。

確かに、あの問題が起きただけでも、メルカリのイメージがめちゃくちゃ悪くなりましたからね。ろくな利用者がいないんだな・・・危険だな・・・みたいな偏見も根付いてしまった自分もいました。

後手に回りがちだった不正防止対策にAIを生かし、「社会の公器としての責任」(小泉社長)を果たせるんでしょ私はきっとやってくれると信じています。愛用者の一人としても応援しています。うか。

テックカンパニーを標榜するメルカリの真価が問われるのはこれから。

私はきっとやってくれると信じています。愛用者の一人としても応援しています。

 

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