パワハラの際の無断録音は違法?

今日はこのテーマにそって、自信をもってお伝えします!

企業にパワーハラスメント(パワハラ)対策を義務付ける法案が国会で審議されていますね。電通の事件があってから国もやっと動き出した感があります。

当然のことながら、民事裁判ではパワハラを不法とする判決が相次いでいますし、嬉しいことにパワハラに限らず訴える人が増えています。そしてその証拠の多くは、被害者がひそかに録音した上司の罵声。

誰もがスマートフォン(スマホ)を持つ今、秘密録音への抵抗感は薄れる一方。企業は録音を前提にパワハラ発生に備える必要があります。

■「録音は当然」 薄れる抵抗感

「社長室では必ず胸ポケットに音楽プレーヤーを入れ、カーディガンを羽織って会話を録音していた」。東京都内の医療サービス会社に勤めていた50代の女性は打ち明けました。毎日、社長の罵声を浴びることに怒りを覚え、同僚の男性と話し合って対策。女性はその後転職したそうですが「録音は当然だ」と言い切っています。

言い切って当然。録音して当然です。

21世紀職業財団が全国で開催中のパワハラ対策講座は盛況だ
ちなみにですが、21世紀職業財団が全国で開催中のパワハラ対策講座は盛況だそうです。

スマホなどデジタル機器の普及で、秘密録音への抵抗は薄れてきましたよね。私は以前から抵抗は無かったです。昔、法律を勉強していたので、

無断録音は違法でも何でもない!

と知っていたからです。無断録音はむしろ当たり前です。一方で、当然といえば当然、企業は職場での秘密録音に否定的。上司が制止すれば、就業規則が認める指揮命令権で禁止できるとの考えも根強いそうです。就業規則で「許可なく撮影・録音してはならない」と明文化している人材サービス会社まであります。そんなことを明文化するっていうことは、「私の会社はブラックですよ」と宣言しているようなものだと思いますけどね・・・。

もちろん、いくら企業が無断録音を禁止しても、裁判では通らないことがほとんどです。当然です。労働法は労働者を守るための法律です!そして日本は法治国家!当然です!

40代の女性がJPモルガン・チェース銀行を不当解雇で訴えた裁判があります。同行は秘密録音を解雇理由の一つとしましたが、東京高裁は2017年の判決で「秘密録音は銀行の行動規範に反するが、事情を踏まえれば解雇理由とまではいえない」との判断を支持、解雇を無効としました。

原告代理人の山田康成弁護士も、「秘密録音の目的が不当解雇やパワハラの証明に限られる場合、従業員の懲戒は裁判でまず通らない」と話しています。

悩んでいる皆さん、本当に安心してください。無断録音しても、そして百万が一それがバレたとしてもあなたは何の落ち度もありません!気にしないでください!

■民事裁判では有力証拠 無断でも有効

パワハラ裁判で、録音データは有力な証拠だ。

3月25日、津地方裁判所でパワハラを巡る和解が成立しました。三重県南伊勢町で地域おこし協力隊員だった30代の女性が、職員によるパワハラで休職に追い込まれたと同町を訴えていたのです。和解条件は町が50万円を払うこと。同町は「早期解決のため和解に応じた」とコメントしました。

「信頼関係がない」「一度切るしかない」。50万円で和解が成立した背景には、ひそかに録音した町職員の音声データがあった。原告代理人の森一恵弁護士は「供述だけでは否定されるか穏やかな指導だったと反論されただろう」と漏らしています。まさに、録音データが決定的な証拠となって勝訴したと言えますね。

パワハラはセクシュアルハラスメント(セクハラ)と異なり、職務上の指導との境界が曖昧なのは確かです。労働施策総合推進法改正案では、裁判例を基に、

(1)優越関係を背景に

(2)業務上必要かつ相当な範囲を超え

(3)就業環境を害する言動

――をパワハラとしています。

裁判官はこうした基準を念頭に、発言内容と回数、その場の雰囲気、背景などを総合的に心証判断してパワハラの有無を決めます。録音によって発言が具体的に分かればより判断しやすくなります。無断であっても「録音が著しく反社会的な手段によるものでない限り、証拠として有効」という東京高裁の判決が踏襲され、問題とされていないのはもちろんです。

秘密録音の制止が難しい中で、企業ができるのは、パワハラ発生後の対応しかないですよね。もともとパワハラのない会社ならばこんなこと自体考えなくていいわけですし。

「パワハラを訴える社員がいたら、相手に断った上で、やり取りは録音した方がいい」。

ハラスメントに詳しい友野直子弁護士は、企業に対してこうすすめています。会社がパワハラとしっかり向き合ったことが録音で証明できれば、責任が軽減される可能性があるからとのこと。派遣ユニオン(東京・渋谷)の関根秀一郎書記長も「最近は交渉相手の企業が会話を録音することが多い」と話します。

17年度の労働局への相談数は「いじめ嫌がらせ」が約7万2000件と、2位の「自己都合退職」の1.8倍に達しました。労働施策総合推進法改正案が成立し、パワハラの要件が広く知られるようになれば、ますます件数は増えるとみられています。

私もどんどん表面化して、マスコミで報道されていくべきだと思います。そうじゃないと日本は動きませんからね。

従来の日本の雇用慣行からすれば、秘密録音は不気味な行為に映りますが、もはやそんな時代じゃありません。上司との信頼関係が薄れ、労使は米国流の契約関係に変わりつつあります。企業は秘密録音の存在を認めた上で、パワハラを防ぐ環境を整備する必要があります。

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