45歳でリストラ? 新しい音楽はアラサーやアラフォーで聴かなくなる?

2019年のリストラによる退職者数が6年ぶりに1万人を超えました。東京商工リサーチの調査によると、2019年1月~9月に希望退職や早期退職者を募集した上場企業は27社で対象人員は1万342人。2018年の人員を大幅に上回るだけではなく、6年ぶりに1万人を超えました。

さらに10~11月にはキリンホールディングス(以下、キリンHD)と傘下のキリンビールなども希望退職者募集を実施しており、リーマンショック後の2010年の1万2232人を超えるのは確実と見られています。

このように、大規模なリストラに踏み切る動きが着々と広がってきました。雇用者数が多い重厚長大産業や、金融・流通などのサービス業での人減らしが目立っています。それに伴う希望退職の標的となりやすい45歳以上のベテラン組は、身近に迫る「雇用クライシス」とどう向き合うべきなのでしょうか?

今日はそういったことをテーマに興味深い記事のご紹介も含めてお話ししようと思います。

 

Aさん(50歳)は、東京都心に生まれ、有名大学を卒業後、バブル期末期に老舗百貨店に入社して以来、30年間、流通の第一線で活躍してきた人でした。デパートの主役である婦人服の売り場で経験を積み、やがて海外出店戦略に伴い、アジア各国で店舗の立ち上げ、拡大を経験してきた敏腕でした。

複数の海外店舗を統括する支社長を経験し、優秀な数人の右腕的な幹部をはじめ、数百名の現場の部下を持ち、店舗経営をとりまとめる役職にまで上り詰めました。一国一城の主、経営の最前線を任されているという充実感で、取引先との接待などに夜の時間も使いながら仕事にまい進していました。

しかし、2018年8月、不振の海外店舗の閉鎖決定に伴い、突然帰国を命じられることになりました。そして、帰任前の面談で内示されたポストは、婦人服売り場のスーパーバイザー。通常のラインではなく、いわばスペシャリストとして海外の富裕層顧客などに対応するスペシャリスト的なポジションでした。当然、部下はゼロ。予算の責任もなければ、経費を使うシーンもありません。それを聞いた瞬間に頭の中は真っ白になり、感じたことはこの一言だけだったそうです。

「すべて終わった。これで出世の芽はなくなった」

なぜ転職先探しに1年以上も費やしてしまったのか

真っ白になった後には、プライドを傷つけられたことで、怒りにも似た感情が巻き起こり、その瞬間に会社を辞める決意をされたそうです。自分がやってきた仕事の中身、自分が挙げた成果、自分が考えてきた自分なりのやり方、自分だからできた人心の掌握術を考え合わせ、「俺はまだまだできる。自分らしい強みを生かせる職場はまだまだあるはずだ」と考えるに至ったようです。

転職に踏み切ることに不安はあったものの、自分を評価してくれる会社は必ずあるという確信を持ちつつ、18年9月末の段階で会社を退職しました。それからすでに1年。Aさんの転職活動は、想定通りには進まず、まだ転職活動が続いている状況でした。

Aさんは、「こんなに時間がかかるとは全く思っていなかった。退職したことに後悔はありませんが、事前の情報収集が不足していたことは後悔しています。」と語っています。

「新しいものを受け入れられない年齢」と客観的に向き合う

上記のような話は、決してAさんに限った話ではありません。いくつか学びのポイントがありますが、一つめに押さえたいのは「百貨店業界の低迷は、今に始まったことではなかったのに、全く準備をしていなかった」というAさんの反省です。

Aさんは自分が30代のころから、50歳前後になるとラインから外されてしまう先輩や、関連会社や取引先に意に沿わない転籍をしていく先輩、などを数多く見てきました。にもかかわらず、「自分は会社に期待されているから大丈夫だ」という暗黙の過信があったそうです。

それゆえに、「『もし自分がリストラ対象になったらどうするか?』という仮説や、それにどう対応するかということをまったく考えずにいた」。ある日突然、リストラを宣告され、とてつもないショックを受けてしまうという人には、Aさんと似たようなケースが多くみられるそうです。

どれだけ好調な状況が続いていたとしても、仕事も人生も、自分の思い通りに進むかどうかはわからないものです。もしも想定外の事態に陥ったらどうするかを想定しておくといった準備は、やはり誰にとっても不可欠な時代になっているのではないかと思います。

年齢を重ねるほど、人は新しいものを受け入れられなくなってくるという特性を持った生き物です。たとえば、年齢が高くなると、新しい音楽がどれも似たようなものに聞こえる、とか、若い頃に聞いていた音楽を一生聴き続けるという行動パターンは、生物学的にメロディーやリズムの微妙な違いを聞き分ける能力が年齢とともに低下することが一因だそうです。

これは非常に勉強になりますね。でもこれは、勉強である程度防げると思うんです。私もアラフォーになってひしひしと感じております。

身近なところで言えば、特に、「音楽」についてが顕著かなと。昔は、好きな曲とか沢山聴いていましたが、最近はめっきり聞かなくなりました。もちろん、音楽自体がCDやMDからネット音楽というのに変わってきたということもあるかとは思いますが、それでも、「音楽」というものに対しての興味がずいぶんと減ったのは確かです。

ただ、最近は、年下の同期の影響などもあってか、積極的にアーティストを教えてもらったり、自分で検索してみたりするようにして、実際に好きなアーティストも増えてきています。

でも、昔みたいにのめりこむことはないなあ、といった感じですね。

さらに、研究によると、音楽の嗜好性は20歳ごろにがっちりと固まり、33歳になるころには新たな音楽を聴くことはほぼなくなるために、同じ世代の中では若い時期に聴いた音楽の人気が一生続く傾向があるそうです(ノックス大学心理学教授のフランク・T・マカンドリュー氏による研究)。新しいことへの受容度が下がると、どうしても変化に対応する力が弱まります。これは人間であれば誰であれ起こる現象なので、これを織り込んでおくことがとても重要です。

それに、それを防ぐために日ごろから自己研鑽や勉強に励むことは非常に大事なことだと私は思います。

行動を変えて思考回路を変えるセルフマネジメント

「人間が変わる方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目は付き合う人を変える。この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは『決意を新たにする』ことだ」――。

これは、経営コンサルタントの大前研一氏の有名な言葉ですが、ミドル世代の雇用クライシスへの向き合い型へのヒントも、この言葉の中にあります。

なお、行動を変えるという方法を考える際に「資格取得をめざす」という人がいます。ただ、これは資格依存による自己変革の希薄化を招きやすいのであまりお勧めしません。資格なんかとってもほとんど何の意味もありませんし、自己満足の域を出ません。私も今の勤務先で複数の資格を取得しましたが、毎月の手当が出るからって理由だけです。実際には資格を持っていたほうが出世が早いとかいう話もありますが、その点については私は全く興味がありません。手当がもらえる等の理由がなければ、資格取得を目指すのは趣味程度にとどめておくべきです。

セカンドキャリアへの不安に備えなければいけないと考えると、「気持ちを引き締める」とか「緊張感を持って」「前向きにあきらめずにがんばる」というような言葉が浮かびがちです。でも、これら抽象的な言葉で心がけや決意をいくら強く念じても、結果は大して変わりません。行動を変えることだけが、思考回路を変える唯一の方法です。そしてとにかく「できる限り具体的に」です。

「いまさら別の業界でチャレンジすることはあり得ない」「今までやってきた経験を捨てるなどもったいない」「まだまだ同じ仕事で成果を出せるはずだ」と考える人は少なくありません。「だからといって自分で起業するリスクなど冒せない」「どこかにいい条件で雇用してもらえるチャンスがあるはずだ」という考えに発展するのもよくあるケースです。

しかし、雇用危機を乗り越えるためには、自分の中のこれらのバイアスと戦う必要があり、避けることはできません。そのためにおすすめしたいのは、自分が苦手だと感じていたり、興味がなかったりしたものであっても、何度も見聞きしているうちに好きになっていくという単純接触効果です。

たとえば「自分はIT(情報技術)は苦手だ。機械のことはわからない」と敬遠している人であれば、毎日少しずつでもスマートフォンやパソコンに触れる時間を増やしていくことによって、苦手意識が薄くなり、やがて愛着すらわいてくるというような効果です。ぜひこのような人間の生物としての傾向を活用して、自己変革のきっかけを作っていただきたいと思います。

何事もやったもん勝ちです♪私もプログラミングに関して、初めはとっても抵抗がありました。でもやってみたら面白いんです。あなたもぜひ、偏見や思い込みを無くして、何事にも積極的にチャレンジされてみることをお勧めします。

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