立つ鳥跡を濁さず 気持ちよく仕事を辞める5つのコツ

 仕事を辞める人は以前よりも増えています。米労働統計局(BLS)によると、米国で仕事を辞める従業員の数は2010年から9年連続で増加し、2018年にはなんと4000万人を少し超えるほどとなりました。

 従業員に関するソリューションやプログラムを提供するワーク・インスティテュートのダニー・ネルムズ社長は、「経済は健全で、強い信頼を寄せることができ、雇用が豊富にある。そのため労働者は勤務先についてますますえり好みするようになることが見込まれ、より良い機会が現れたら進んで転職するだろう」と述べています。日本も同様な状況でしょう。

 その結果、当然ですが上司と退職について話す人が増えています。これは多くの人が恐れること。上司に「辞めます」と言う日を何カ月も、あるいは何年も待ち望んでいたとしても、ついにその時がくると急に罪悪感と不安を感じます。ただ、こうした感情は至って普通のもの。上司との「別れ」の会話を楽しむ人はいません。

 私もそうでした。初めて辞める時は国税を辞める時でした。もう十数年も前になるのでハッキリとは覚えていませんが、確かに少しは止められました。でも私の決意は固かったです。

 上司に耐えられず辞める場合も、ただ今より良い機会を見つけただけの場合も、できる限りきちんとした方法で状況に対処することが重要。今の職場との間に、後に引き返せないような状況を作ることなく仕事を辞める5つのコツは次の通り。

1. 十分な時間を残して退職の意を伝える

 上司と個人的に面談し、少なくとも退職予告期間として標準的な2週間の期間を与えること。退職までにそれより長めの期間を設けることも考えられますが、これはあなたや、あなたと雇用主の関係によって決まります。

 長めの退職予告期間を設けることの唯一のデメリットは、あなたが計画していたよりも早く上司が後任を見つけること。そのため、予定していたよりも少し早い段階で上司に退職を求められた場合にも備えておきましょう。

2. 上司との関係を考慮する

 上司と気兼ねなく話すことができる友好的な信頼関係を築いていた場合は、正直に説明しても問題ないでしょう。最終的にはあなたがどのように感じるか、どのような選択に最も安心感を持つかによって決まります。ここでは本能に従いましょう。

3. 前夜に練習する

 これは何を言うか、どのように言うかをリハーサルすることで緊張感が大きく和らぎます。箇条書きにして要点を作成することも役立つかもしれません。できる限り事実に基づき、前向きで簡潔な話し方にすることが目標。どこに移るのかや最終出勤日については答えを用意しておくことが大切。

 最後に感謝の気持ちを述べ、今後照会があった場合には推薦してもらえるよう依頼する。全体として、あなたが会話の主導権を握ることが大事です。もっとも普通は握らせてくれるとは思いますが。

4. 予期せぬ展開に備える

 競合企業に転職する場合、雇用主にすぐに退職するよう求められるかもしれません。その場合は、荷物をまとめる準備をしておく必要があるでしょう。また、携帯電話やノートパソコン、タブレットなど会社所有のものは会社に返却する必要があり、これまでに取り組んだ文書やプロジェクトについてはアクセスできなくなることも覚えておきましょう。

 もう一つのシナリオとして、移行期間を円滑に進めるため退職日を少し延ばすよう上司に頼まれるかもしれません。その可能性について事前に検討し、不意を突かれないようにしましょう。

 あるいは、上司から会社に残るよう対案を出されるかもしれません。これも事前に考えておくことです。現職に残るための条件はあるでしょうか?それがなければ断固とした態度を保ち、心が揺れないようにすることが大事です。

5. 引継ぎのプロセスを支援することを申し出る

 引継ぎのプロセスを踏む上司を支援すれば、双方にとって有益な長期的関係性を固める上で大きな効果があります。正式な引継ぎの計画を作ることも良いアイデア。上司から感謝され、全てを終わらせるための十分な時間が持てるでしょう。現実的な目標を立て、退職するまでには全てのプロジェクトを終了するようにすることです。

 仕事を辞めることで、必ずしも大きな苦痛を感じる必要はありません。最も重要なことは、キャリアを前進させようとすることが悪いことではないということを覚えておくこと。少しの計画と準備を行えば、仕事での関係と評判をきちんと守りつつ仕事を辞めることができます。

 とにかく一番大事なのは、辞めたいというあなたの気持ち。あまり重く考えないようにしましょう。

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